昔の生地を新たに仕入れてきました。
ああでもない、こうでもないと色々考えながら、というより個人的に楽しみながら。
仕入れはいつもこんな感じです。
自分の服なんていつ縫えるか分からないのに…

IMG_6062 (1024x683)
ウインドーペーンのバーリーコーンを始め、一生付き合える生地を5・6点

これに合わせて数日前から在庫生地のお手入れです。
一度生地を全部引っ張り出して解きます。
購入した時に板に巻かれていたものは全て解いて畳み直します。 
ほんの些細な事ですが、巻かれた状態だと部分的にテンションがかかったままのことがあります。
綺麗にシワなく巻き取っていくために意図せず生地を引っ張ってしまってるんです。生地は縦、横に引っ張ってもほとんど伸びませんがナナメに引っ張ると大きく織り目が歪んで伸びてしまいます。
この状態で長い時間放置するのは当然生地にとって大きなストレスです。

これを避けるためにも畳みます。
たたむ前に再度生地に万が一にも虫食い穴やキズ、太糸などの欠陥が無いかをチェックします。
それから軽くブラシでホコリを落として畳みます。

日本の受注会でこれらの生地を選んでいただく際には生地片をご覧頂いて参考にしていただいていますが、その小さな面積から完成をイメージして頂くにはかなり慣れと想像力が必要で、ご迷惑をおかけしております。

もっと大きくサンプルを取りたい気持ちは山々なのですが、購入段階で既にm数がギリギリのものもあるためそれもなかなか叶いません。
それをすこしでも解消できるように生地を画像として取り込む作業も合わせて進めています。
生地サンプルと画像とを合わせてみて頂くことで完成のイメージをもう少しでも持って頂きやすくなるのでは無いかと。

昔の生地を眺め、手にしていると今の生地にはない風合いと色の表現があることに改めて気付かされます。
そしてそれらはいろんな条件、制約から完全に再現することができません。
前にも書いた通り新しく生み出せない以上、今世の中に出ているものがすべてですからその一つ一つを服に仕上げる喜びと責任を感じます。
今すぐは出番が来なくても来るべき活躍の時まで、手はかかりますけど大事に保管しないといけません。

今すぐ出番がやってこない理由の一つに、ヴィンテージの生地は現行の生地よりも派手(に見える)な柄や色味のものも多くあります。

IMG_6110 (1024x683)

こういった生地は生地を選ぶ際に至近距離で対峙していると余計に派手に見えがちです。
私は、実際には少し離れて眼に映る印象を計算してデザインされていると思っています。
テレビの走査線のようにたくさんの色が混ざった生地を離れてみることで初めてその生地本来の表情が出てきます。

そしてこの微妙なニュアンスはカジュアルな場面やパーティシーンにはとっても見栄えがします。
というのも多く色糸を使って織られるヴィンテージの生地は他のアイテムの色を選びません。どんな色でも馴染みます。
インナーのシャツ、タイ、ベストもパンツも、中にニットを着るにしてもマフラーをつけてもすっと溶け込むので着こなしのバリエーションが格段に増えます。

IMG_6145 (1024x683)

どの季節でもOFFの日の装いにはしっかりOFF感のある着こなしが素敵だと思います。
まずは紺ブレ!は間違いなく定番のチョイスです。
でもいつも紺ブレというわけにもいきませんよね。
じゃあその次は?となると・・・
サルトリアでの修行時代を通じてもいわゆる紺ブレはあまり縫ったことがありませんでした。
それよりももっと肩の力の抜けた色使いが圧倒的に多かったのを覚えています。

柄物はちょっと、と慣れない方でも多分ちょっと行き過ぎ位のチョイスで結局ちょうど良くなる場合も多いです。
年度も変わって心機一転。
明るく元気になれるジャケット、いいと思います。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください